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車に関すること

マツダディーゼルエンジンの更なる深化!その2

SKYACTIV-Dは世界一レスポンスの良いエンジン!?

新型CX-5の2.2Dエンジンがさらに良くなったようだ。関係技術者によるとアクセルオンの

最初に吸い込ませる新気の量をいかに増やすかがメインの対策だそうだ。新気が多ければ

すぐ排気の量が増えて、過給圧が上がる。逆に新気が少なければ過給圧の上昇遅れは

どんどん累積する。

さらに、アクセルを踏んだとき、わずかでもドライバーに反応を返すことをまず考えたのだ

と言う。アクセルを踏んでも無反応だと、さらに踏み足し、本当に加速が始まったときには

踏みすぎていて、運転がぎくしゃくする。

人はクルマの操作に際して、このくらい入力すれば、このくらい反応するだろうと予測して

操作を行い、操作に対するレスポンスを見て修正する。この予測値が人の経験値と合わないと

過剰操作を呼び、反応に対して大きな修正が必要になる。言うことを聞かないクルマは概して

大きく重く感じるものだ。

そういう部分を見直したことでパワートレインの制御能力が向上したのである。

では、そのパワートレインのSKYACTIV-Dは、普通の秀逸なディーゼルエンジンと比べて何が

違うのだろうか?

SKYACTIV-D(スカイアクティブ ディー)の3つの特長

①低圧縮比(14.0)により、従来比約20%の燃費改善
②2ステージターボチャージャーの採用により、低速から高速までスムーズでリニアなレスポンスと低速域の大幅なトルク向上を実現(最大回転数5,200rpm)
③高価なNOx後処理なしで日欧の排出ガス規制をクリア

①ディーゼルエンジンの低圧縮化はどんなメリットを生み出すのか?

普通のディーゼルエンジンの圧縮比は、18~20くらいが普通だ。これは、ディーゼルエンジン

の燃焼が、高圧縮空気に燃料を噴出して自然発火させるために圧縮比を上げていないと点火

しないから。そのためピストンの上死点前に空気が発火点に達してしまい、上死点で燃料を噴出

すると適切な混合気が形成される前に添加してしまうので、NOx生成やススの発生が起こる。

今までの技術では、これをフィルターで濾過して排出ガスをきれいにするといった手法がメイン

であった。

しかしこれでは、クリーンディーゼルと呼ぶには程遠い話となる。このため、近年の厳しい排出

ガス規制の下では、最適な効率が得られるピストン上死点付近での燃焼が困難となり、燃費悪化

を招きながらもピストンが下降し圧力と温度が下がるのを待ってから燃焼させざるを得なくなって

しまった。

それでは、高圧圧縮比にする意味は空気の温度を素早く発火点に上げるためにしているような

もので、エンジン全体の効率には役に立ってはいないのだ。では圧縮比を下げた場合はどうなる

のだろうか?

低圧縮比化による燃焼タイミングの最適化

圧縮比を下げた場合は、ピストン上死点における圧縮温度・圧力は低くなる。従って、上死点

付近で燃料を噴射しても着火までの時間が長くなるため、燃料と空気の混合が促進される。

この結果、より均質な燃焼となり局所的高温や酸素不足が回避され、NOxやススの発生量は少なく

なるというわけだ。

また上死点付近での噴射と燃焼が可能であるため、実質の仕事量(膨張比)は高圧縮比

ディーゼルエンジンよりも大きくとれて高効率となる(下図参照)。

そんなに低圧縮化が良いなら、最初からそうすればよいじゃないか?という疑問が出ますよね? 

ディーゼルエンジンの低圧縮比化が進まなかった2つの要因

①圧縮時の空気温度を低下させると、低温時の圧縮温度が下がりすぎることにより始動性に問題が生じる。②暖機運転中の圧縮温度・圧力不足により半失火が発生してしまう。

2つの難題にマツダが下した結果とは? 

①低温始動性の確保のため=マルチホールピエゾインジェクターによる可燃混合気の生成

新たに採用したマルチホールピエゾインジェクターにより燃料の噴射パターンを多彩化し、

噴射量とタイミングを精密化することで混合気の濃度制御の精度が上がり、低温時始動性を

確保した。

ハードウェアの能力としては1燃焼あたり最大で9回の噴射が可能な高性能タイプだ。

プリ、メイン、アフターの3回噴射を基本に、走行条件に応じて多彩な噴射パターンを実現

する。この緻密な噴射制御とセラミックグロープラグにより、低圧縮比でも確実な始動を

可能にした。

②暖機運転中の半失火の抑制=排気VVLの採用による暖機中の空気温度上昇

排気側バルブにVVL(Variable Valve Lift:可変バルブリフト機構)を採用することで、

始動後の暖機運転中に起こりうる半失火状態を抑制した。一度燃焼が起これば排気ガス温度

は高温になる。そこで、吸入行程中にわずかに排気バルブを開き、排気ポート内の高温の

残留ガスをシリンダー内に逆流させることで空気温度を高めて圧縮時の温度上昇を促進し、

着火の安定性を向上させている。

低圧縮化が成功すると”素晴らしいレスポンス”のエンジンになるマジック!

高圧縮ディーゼルエンジンの場合、その圧力に耐えるためのエンジンブロックの強化が必要

になる。

そのためエンジンは重くなり当然摩擦抵抗も増えることとなる。(レスポンスの悪いエンジン

のイメージ)しかし、低圧縮ディーゼルエンジンの場合、エンジンブロックの肉厚を薄くでき

しかもアルミを採用することができるのだ。SKYACTIV-Dの場合エンジン単体で25kgも軽量

に成功した。さらにシリンダーヘッドは肉厚低減、エキゾースト・マニホールド一体構造に

よって3kgの軽量化を達成!。ピストン単体重量は25%低減しました。またクランクシャフト径

を60mmから52mmにサイズダウンするなどして、25%の軽量化を達成。この結果、機械抵抗も

大幅に低減できガソリンエンジン並を実現した。これらのことは各部品の質量が軽くなることで

フリクションロスと慣性が低くなり動きの良い状態になるということなのだ。

さらに、SKYACTIV-Dエンジンのもう一つの特徴は,2ステージターボであること。小径の

タービンにして低回転域から過給できるようにし,さらに高回転に対応した大型タービンを

あわせもつ構造なので,低回転域から高い過給が可能なのだ。

通常,2ステージターボは,排気量が3L以上で使うのだが,マツダは2.2Lで採用したのだから素晴らしい!

●ガソリン車とくらべると?
ガソリンエンジンにくらべると,SKYACTIV-Dといえどもレスポンスは劣る。しかし絶対的なトルクがガソリンエンジンの2倍以上あるため,加速力は優れている。

アテンザ(欧州仕様:マツダ6)での 0→100km/h到達時間 (変速機はともに6速MT)
ガソリンエンジン 2.0L = 9.1秒
ディーゼルエンジン 2.2L = 7.9秒

 

 

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