道路交通情報量を増やし、安全運転を支援するという発想で導入拡大されようとしている道路交通情報システムなのだが・・
ETC2.0とは? まだまだ普及も言葉の浸透もそれほどでないのであるが、そもそもETC2.0車載器とはいったい
どんなものなのか? いまいちピンと来ていない方にポイントを絞って説明しておこう。
ちょっと前までは「ITSスポットサービス」と呼ばれていたもので、道路上の「*ITSスポット」と「*DSRC車載器」の
間で通信することで、渋滞回避支援や安全運転支援、自動料金収受などのサービスが受けられるというもの。
*現在ITSスポットは全国に1600箇所設置されている。*現在このDSRC車載器のことをETC2.0車載器と呼ぶようにしている。
このサービスは、特に長い距離のドライブをするには有効だ。「ETC2.0」は、広範囲(約1,000km)な情報を発信することを
特徴としている(VICSは約200km)
さらには、渋滞を回避することで高速道路料金の割引サービスを受けることができる。
と聞けば、「ほうっ!」と思われるかもしれないが、現在この割引サービスを受けられるのは、圏央道だけである。
「圏央道」? 近畿に住んでいる私としては?? それってどこ?てな感じである。
圏央道とは:(国土交通省のHPより)
圏央道(首都圏中央連絡自動車道)は、都心から半径およそ40km~60kmの位置に計画された、延長約300kmの
高規格幹線道路です。 圏央道は、横浜、厚木、八王子、川越、つくば、成田、木更津などの都市を連絡し、東京湾アクアライン、
東京外かく環状道路などと一体となって首都圏の広域的な幹線道路網を形成する首都圏3環状道路の、一番外側に位置する
環状道路です。 この圏央道は、首都圏の道路交通の円滑化、環境改善、沿線都市間の連絡強化、地域づくり支援、災害時の
代替路としての機能など多くの役割を担います。
現在関東近郊だけのサービスとなっています。その内容は以下のとおりです。(HPより)
関西の人間が北関東や東北へ用事があるときには、首都圏を通らないで行けるので便利そうですが、長距離のトラックなどを
除いて、そうそうあることではないかなあ!?と関西人は思いますね。(よって関西人にとっては割引サービスのメリットなし!)
次に情報サービスの提供に関しては、まだ一部の最新機種のみの対応であるが、「高度化光ビーコン」を設置している交差点の
信号機からの情報を入手できるというサービスがある。これは、「赤信号残時間の表示」情報を専用のナビで確認できるという
ものだ。よく道路工事で片側車線だけの通行に規制されている時に、手前に信号が有り「青信号まであと〇〇秒」と表示している
あれと同じものがナビから情報として読み取れるというものだ。
では実際にどれくらいの「高度化光ビーコン」が設置されているのかというと25都道府県に5702カ所(2016年5月)というもので、
これから順次拡大していくということだ。(主に都市部に設置しているため、地方の混雑のない道路には設置数がほとんどない)
このETC2.0の機能を有効に使おうとしている車がある。
それが、今年5月に改良して発売された「ホンダアコードハイブリッド」だ。
新型アコードハイブリッドに搭載した運転支援システムは、高度化光ビーコンから取得した上限車速情報や信号情報と、
自車のカー・ナビゲーションン・システムのGPS(全地球測位システム)から取得した自車の位置や速度の情報を使って、
「交差点通過支援」「黄信号減速支援」「発進遅れ警告支援」という三つの機能を提供する。
交差点通過支援では、前方の交差点を青信号で通過できるとシステムが判断すると、推奨する速度を車内のディスプレーに
表示して運転者に知らせる。黄信号減速支援では、交差点を通過するまでに信号機が黄信号から赤信号に変わるとシステムが
判断すると、ディスプレーに減速を促すメッセージを表示する。これにより黄信号の交差点への無理な進入を抑制することで、
事故を減らすことに寄与できる。交差点を通過する際の不必要な加減速が減り、実走行燃費も向上するという。
このように、一部ではETC2.0を活用したシステムや車が出てきているとは言え、まだまだその普及には時間がかかりそうな
感じである。現在ETC2.0の普及率は2.4%しかないのである。
ここまで書いてきて、「ハッ」と思った。 このETC2.0の進めようとする情報システムだが、特に渋滞回避システム
などはスマホでのナビ操作の的ではなく、その差はさらに拡大しつつあるようだ。受け取れる情報量もおそらく
1000倍は違うだろうと思われます。そうして考えてみるとこのETC2.0という構想、一体何を目指すものなのか?
先が思いやられますね。
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